2022.08.05
新型コロナウイルス感染症が首都圏においても再び蔓延してきております。
罹患(感染)してしまった場合にお産はできるのでしょうか?とご心配の声をいただくことが増えてまいりました。この辺りでは千葉市まで行かないとお産ができないと聞いていますなどの誤った風評も流れているようです。
当院ではかかりつけ妊婦様の分娩は、万全の感染対策を取りながら継続して行っております。また、皆様が積極的にワクチン接種を受けていただいていることもあり、感染された多くの妊婦様は軽症で済んでおり、柏市はじめ行政と協力しながら自宅療養患者様の健康観察を行っています。
3回目ワクチンが済んでいない妊婦様には積極的にワクチン接種を行って重症化予防に努めていただきたいと思います。仮に軽症であっても帝王切開分娩となる可能性が高まり、院内感染・クラスターが発生しますと分娩取扱いそのものが難しくなるなど2次的な問題が生じることがあります。
お産以外で入院が必要と考えられる妊婦様についてですが、それは主に2つの場合が考えられます。1つはお腹の張りや痛みがある、出血がある、子宮頸管長が短くなっているなどの切迫早産と言われる産科的異常のある場合です。このような症状のある場合は、入院もしくは自宅療養などの判断が必要になりますので、当院に連絡をしてから受診して下さい。もう1つは、稀ではありますが新型コロナ感染症の呼吸器症状が悪化して中等症、重症となる場合があります。ワクチン接種が普及して軽症の方がほとんどであるのですが、基礎疾患や合併症のある妊婦様は重症化の恐れがあるため、十分注意していただきたいと思います。
36週未満の早産となる場合や感染症が重症化すると当院では対応できず、周産期センターと言われる一部の病院に転院となってしまいます。医療機関によってはこのような患者様の受け入れ制限が始まっており、妊婦様には行動制限による感染予防と早産予防、ワクチン接種による重症化予防を引き続きお願い申し上げます。
感染蔓延期では医療業務が大幅に増え、患者様には待ち時間の延長など多くのご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。また、暫くの間、立ち会い出産や面会を制限させていただきますが、再開できましたらご報告差し上げます。ワクチンや早産予防などについてご不明な点がありましたら、妊婦健診などで医師や助産師にお尋ね下さい。
くぼのやウイメンズホスピタル 院長 窪谷 潔