妊婦健診について

写真:母乳外来

妊婦健診はより良いマタニティーライフを過ごす上で、自分の健康状態を把握し、難産を予防するためにもとても良い機会です。原則として妊娠12週までに3回程度、妊娠12週〜24週までは4週間毎、24〜35週までは2週間毎、それ以降40週までは1週間毎に健診を行います。


妊娠初期~妊娠12週

初診時は内診と超音波検査があります。今までかかった病気や嗜好(喫煙やアルコール)、アレルギーの有無(喘息や薬剤、食べ物などのアレルギー既往)、ご家族の病歴(糖尿病、高血圧など)、今までの妊娠のこと(お子さんの誕生日、妊娠週数と出生体重、流・早産、妊婦高血圧症候群の既往)、月経不順があるかどうかなど医師・看護スタッフに話しておきましょう。胎児の心拍が確認できたら分娩予定日が決まります。市役所、保健所、出張所で母子手帳を交付してもらいましょう。

妊娠12~妊娠28週

基本的な妊婦健診では、体重、血圧測定、尿検査、お腹の大きさ(子宮底、腹囲)を測り、むくみの有無をみます。胎児の心音を確認し、超音波検査では胎児の発育や羊水量、胎盤の位置などを確認します。尿糖が繰り返し認められる、血糖値が高い、赤ちゃんの推定体重が標準を大きく上回るような場合には、妊娠糖尿病の診断のため糖負荷検査を行うことがあります。栄養のバランスを考えた食生活を心がけ、歯の健康にも心配りしましょう。重い物を運ぶ、高い場所にあるものをとるような動作は避けましょう。

妊娠28~妊娠36週

妊娠の後期に入りました。赤ちゃんの胎動も活発になりお腹も大きくなってきます。胎児も約1200gから2400gくらいまで急成長します。妊娠中のみなさんの体重増加は平均10kgです。体重増加の目安は人によっても異なりますのでテキストなど参考にしてください。この時期、注意することのひとつに切迫早産があります。早産で生まれる赤ちゃんは呼吸、体重維持、栄養摂取や感染に対する抵抗力など、機能がまだ未熟なため入院管理が必要になります。出血や周期的な(繰り返す)子宮の収縮、水っぽい帯下の増加に注意しましょう。安静にしても症状が続く場合は入院の準備をして早めに診察を受けましょう。
(注:早(期)産とは妊娠22週0日〜36週6日までの分娩)

妊娠37週以降

妊娠36週から妊娠10ヶ月、臨月と言います。みなさんの分娩予定日は40週0日ですね。この予定日の前3週間から後2週間(37週0日〜41週6日)でお産になることを正期産といい、実際に90%のひとがこの間に出産されています。初産婦さんでは予定日前に出産になるひとは、ちょうど半数です。母親学級を受講して入院のタイミング、分娩の経過やお産の補助動作について学んでおきましょう。経産婦さんは以前のお産で異常があればお話しておきましょう。

妊娠高血圧症候群は高血圧や蛋白尿のほか、むくみがひどくなり、頭痛、気分不快などが現れる妊娠後半期に起こりやすい病気です。帝王切開や吸引分娩、誘発分娩、分娩後大量出血などの頻度が高くなります。原因ははっきりしていませんが、生活習慣病(含その家系)、疲労、ストレスなどの影響を受けるとされています。塩分、カロリーを控え十分な休養と睡眠を取りましょう。定期健診以外に自宅で血圧を測定してもらう場合があります。

予定日を2週間近く超えるときは誘発分娩を行う場合がありますので、担当医と相談しましょう。

産後の健診(産後2週目健診・1ヶ月健診)

2週目健診は助産師が母子の心身のことを伺います。1ヶ月健診は小児科医と産婦人科医が、赤ちゃんの発育と産後の母体の回復を健診します。

一般検査

検査の中には妊婦さん全員に行う検査と必要に応じて行う検査、希望者のみに行う検査があります。
※詳しくは医師にお尋ねください。

妊婦採血 血液型、肝炎、梅毒、淋菌、クラミジア、風疹、成人T細胞白血病ウイルス、エイズ、貧血、糖尿病、不規則抗体、トキソプラズマの検査を行います。
子宮がん検査 子宮頸がんの検査をします。
超音波検査 赤ちゃんのおよその大きさや位置(胎位)、胎盤の位置、羊水の量などを調べます。20週頃と30週前後には超音波室にて超音波検査士による検査も行います。
胎動カウント 赤ちゃんが10回動くまでに何分かかるかを自宅で毎日計り表にします。 赤ちゃんのための健康診断法です。通常、妊娠34週以降に行います。
腟分泌物培養検査 35週頃に腟、外陰肛門周囲のB群溶連菌(GBS)を調べる検査をします。赤ちゃんは産道を通過して生まれてくるので、出産前に腟分泌物を調べて細菌検査をしておきます。
胎児心拍数モニタリング
(NST:ノンストレステスト)
分娩監視装置を使って子宮収縮、胎児心拍、胎動を測定することで胎児が元気かどうかわかります。予定日を過ぎたとき、胎動が少なくなったとき、おなかの張りが多いとき、妊娠高血圧症候群のときなどにも行います。

希望検査(出生前診断検査・自費)

妊娠 15~18週 クアトロマーカーテスト 母体血液検査で4つの物質を測定して、染色体異常や二分脊椎などの神経管閉鎖障害の確率を計算する検査です。
自費・・・20,000円
妊娠 15~18週 羊水検査 お腹に針を刺して羊水を吸引し、赤ちゃんの染色体の数や配列を調べる検査です。
ご希望の方は、妊娠13~14週頃までに担当医または遺伝カウンセリング外来までご相談ください。
自費・・・120,000円

健診・検査のスケジュール

健診間隔 妊娠周期 健診 検査内容
1ヶ月毎 初期 1ヶ月      
2ヶ月 4週〜 内診 経腟超音波
尿検査(糖・蛋白)
3ヶ月 8週〜 内診
予定日決定
 
中期 4ヶ月 12週〜 外診 経腟超音波
尿検査(糖・蛋白)
5ヶ月 16週〜 外診 経腟超音波
採血(血算、
胎児スクリーニング
超音波検査
15~18週 外診

クアトロマーカーテスト(希望者のみ)

羊水検査(希望者のみ)

6ヶ月 20週〜 外診 経腟超音波
採血(FBS、HbA1C)
2週毎 後期 7ヶ月 24週〜 外診(内診) 胎児スクリーニング
超音波検査
8ヶ月 28週〜 外診 胎児スクリーニング
超音波検査、
採血(血算)
9ヶ月 32週〜 外診 経腟超音波
胎動カウント(34週以降)
膣分泌物培養検査(35週頃)
1週毎 10ヶ月 36週〜 外診
内診
経腟超音波、
胎児心拍数モニタリング(NST)
2週毎 産後 2週間 外診 産前産後ケアフロアで行います。
1ヶ月 外診
内診